【芥川賞】両親が元気なうちに読んでおこう!スクラップアンドビルド【羽田圭介】
こんにちは!
こじろーです。
最近、又吉さんの「火花」と同時に芥川賞を取った羽田さんの「スクラップアンドビルドって小説を読みました。
普段あまり小説を読む方ではないのですが、著者の羽田圭介さんのキャラクターが魅力的過ぎて、ついつい手に取ってしまいましたね。
最近テレビによく出ているので知っている方も多いと思いますが、簡単に羽田さんのキャラクターを紹介すると、無駄な事が嫌いな超合理主義者ですね。
歌えないし意味ないから女性アーティストの曲を聞かなかったり、スクワットしながらプロジェクターで映画を観るといった変人です。
気になる方は次の記事や動画を見てみてください。
スクラップアンドってどんな話?
羽田さんの魅力が伝わった所で、小説の簡単なあらすじについて紹介しますね。
一言でいうと、要介護の祖父と無職の孫が日々を過ごすお話です。
ドキドキハラハラもしませんし、最後にどんでん返しがあるとかでもないですし、ぶっちゃけ映画化とかしたらすごい地味だろうなーって感じの小説です。
では、面白くなかったか?と言われたら、面白かったんです。
その行動ってほんとに正しいの?
普段の何気ない行動、例えば老人に席を譲るといった行動は本当に正しいのかなー本当の優しさって何かなーって考えさせられます。
考えさせない。祖父が脳を活性化させる機会も徹底的に奪おうと、健斗は衣替えを全力で手伝った。優しくさしのべる一挙手一投足が、祖父のシナプスを切断した。
いちいち心に刺さるフレーズが多い
合理主義の著者ならではのフレーズがたくさん登場するので、読み進めているうちにいちいちギクっとさせられてしまいます。
リハビリはよくて、実務としての歩行はだめなのだ。スポーツジムには行くが日常生活で階段は使わない人たちと同じだ。
要介護者を家族に持つ事のリアルな実態
この小説を読むまでは、自身の両親の老後について深く考えた事がありませんでした。もし両親がほとんど動けなくなったらどうすべきなんだろーとか、人間歳を取るとどういう考えを持って生きていくんだろーとか、色々考えさせられました。
苦しみに耐え抜いた先にも死しか待っていない人たちの切なる願いを健康な者たちは理解しようとせず、苦しくてもそれでも生き続けるほうがいいなどと、人生の先輩に対し紋切り型のセリフを言うしか能がない。
一番の魅力
あまり言い過ぎるとネタバレになるので上手く伝えづらいのですが、本小説を読み進めていると、いくつか違和感のある描写があるんです。
その違和感の意味を理解した時、とても心が揺さぶられました。
「あーなるほど。確かに芥川賞納得だわー!」ってなりました。
小説なのにといったら失礼ですが、なんていうかビジネス書並に色々考えながら読み進めさせられた気がします。
上記に引用した3フレーズが刺さった方、是非一読してみてください!
とりあえず老後の生き甲斐は重要だと考えたので、両親の趣味を詳しくリサーチして初任給でプレゼントしようと思います。